移動ユーザープロファイルとフォルダリダイレクトの設定について

ユーザープロファイルとは

ユーザーごとに保存される情報のひとつで、主にデスクトップ環境の情報を保持しています。
ユーザープロファイルは、該当マシン上でユーザーごとに構成され、次のような情報が含まれます。

  • 壁紙やスクリーンセイバーなどのデスクトップ設定
  • ショートカットや「スタート」メニューの設定
  • Internet Explorer のお気に入りやホームページ
  • Microsoft Outlook の署名
  • プリンター

これらの情報を格納したユーザープロファイルは、次のフォルダに保存されます。

C:\users\<ユーザー名>の配下

ユーザープロファイルは、ユーザーが初めてコンピュータにログオンした際に、ユーザーごとに作成されます。
ローカルコンピューターまたは、リモートコンピューターからログオフした際に保存され、ユーザーの次回のログオン時に復元され、再利用されます。

移動ユーザープロファイルについて

移動ユーザープロファイルの概要

ユーザーがほかのマシンにログオンした場合にも、同じユーザープロファイルをローミングできるように、ユーザープロファイルをファイルサーバに保存する機能です。
移動ユーザープロファイルの設定は、グループポリシーのユーザーポリシーで設定するため、ファイルサーバーおよび全てのパソコンは、同じドメインに参加する必要があります。所属する該当ユーザーが Active Directroy アカウントでログオンすると、どのコンピュータでも同じ移動ユーザープロファイルが適用されます。

  1. ログオフ時にファイルサーバーにプロファイルの情報をアップデートし、ログオン時にファイルサーバーからプロファイル情報を取得します。
  2. どのファイルサーバーにユーザープロファイルを保存するかの情報はドメインコントローラーが持っています。

移動ユーザープロファイルの設定例

ユーザーのプロファイルパスとしてファイルサーバーを指定します。本例では、user01 のプロファイルパスを CIFS サーバ(本例では \\192.168.1.201\profiles\%username%)に指定します。[1]%username%の部分には自動で、user 名が入ります。

user01 でログオンすると、指定したパスにプロファイル領域が作成されます。

フォルダリダイレクトについて

フォルダリダイレクトの概要

ユーザーが利用するフォルダをユーザープロファイルから分離して、ファイルサーバーに保存できる機能です。フォルダリダイレクトを有効にすると、選択したフォルダに保存されているユーザーのファイルがユーザープロファイルから分離されます。
これにより、ログオン時にロードする対象からはずれるため、ユーザーログオン時間を短縮できます。
仮想デスクトップ環境では、移動ユーザープロファイルにフォルダリダイレクトを組み合わせる形が一般的です。

  1. フォルダリダイレクトの対象のファイルに書き込みが発生すると、即時にファイルサーバーに同期します。
  2. フォルダリダイレクトの設定は、グループポリシーで管理されています。

フォルダリダイレクトの設定例

AD 上でグループポリシー管理エディタを使用して設定します。
gpme.msc を起動し「ユーザーの構成\ポリシー\Windows の設定\フォルダーリダイレクト」から対象のフォルダ(本例ではデスクトップ)のプロパティをクリックします。対象のユーザーと、保存先のルートパスを指定します。本例では、group01 に所属するユーザーを対象に、ユーザーごとのデスクトップのデータを、 CIFS サーバー(本例では \\cdot\redirect)に保存します。

group01 に所属する user01 でパソコンにログオンすると、ポリシーが適用されます。

フォルダリダイレクトを保存している redirect フォルダにデスクトップのフォルダとデータが作成されました。

以上

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参考書籍

脚注

脚注
1%username%の部分には自動で、user 名が入ります。