【Linux】CentOS の移行先比較 | AlmaLinux・Rocky Linux・MIRACLE LINUX の違い

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目次

はじめに

CentOS 7の公式サポートが終了し、多くのシステム環境で後継 OS への移行が必要となっています。その有力な移行先として比較されるのが、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)との互換性を持つ「AlmaLinux」「Rocky Linux」「MIRACLE LINUX」の3つのディストリビューションです。

本記事では、これら主要な RHEL クローン OS の特徴や、開発方針の違いに基づく最新の動向を客観的に比較し、運用要件に合わせた適切な OS を選定するための情報を解説します。

この記事でわかること
  • CentOS 後継として RHEL クローン OS が求められる背景
  • AlmaLinux、Rocky Linux、MIRACLE LINUX の特徴と開発方針の違い
  • 目的別の適切な OS の選び方と、インストール後の初期設定へのステップ

CentOS のサポート終了(EOL)と後継 OS の選び方

移行先の比較に入る前に、なぜ現在これらの OS が注目されているのか、そして OS を選定する際にどのような基準を持つべきかを整理します。

RHEL クローン OS が求められる背景

長年にわたり無償のサーバー OS としてデファクトスタンダードであった CentOS ですが、CentOS 8 の早期終了および2024年6月の CentOS 7 のサポート終了(EOL)に伴い、「RHEL(Red Hat Enterprise Linux)の無償クローン」としての役割を終えました。

しかし、企業システムやインフラ環境において、RHEL と同等の高い安定性と長期サポート(通常10年間)を備えた OS の需要は依然として高く、CentOS の運用基盤をそのまま引き継げる「新たな RHEL クローン OS」への乗り換えが必須となりました。

移行先の選定で重視すべきポイント(開発体制と互換性)

多数存在する Linux ディストリビューションの中からビジネスユースに耐えうる OS を選ぶ際、特に以下の2点が重要な指標となります。

開発体制の持続可能性

オープンソースであっても、背後に強力な企業スポンサーや非営利財団が存在し、セキュリティパッチやバージョンアップを長期にわたって安定供給できる体制があるか。

RHEL との互換性の方針

2023年に Red Hat 社がソースコードの公開制限を実施した影響により、後継 OS 陣営における「互換性へのアプローチ」に違いが生じています。RHEL とソースコードレベルで「完全一致(バグ・フォー・バグ互換)」を目指すのか、あるいはソフトウェアが正常に動作すること(ABI 互換)を重視するのか、OS ごとの開発思想を理解する必要があります。

この「開発体制」と「互換性の方針」を踏まえ、次章では主要な移行先候補である AlmaLinux、Rocky Linux、MIRACLE LINUX の3つの OS について、最新の動向を比較・解説します。

主要 3OS の特徴と開発方針(2024年以降の最新動向)

現在主流となっている3つの RHEL クローン OS の特徴を解説します。

AlmaLinux

AlmaLinux(アルマリナックス)は、CloudLinux社が立ち上げ、現在は非営利財団(AlmaLinux OS Foundation)が主導して開発しているOSです。

最大の転換点は、2023年の Red Hat 社によるソースコード公開制限を受け、「RHEL との1対1の完全互換(バグ・フォー・バグ)」から「アプリケーションが正常に稼働すること(ABI 互換)」へと開発方針を変更した点です。

独自のバグ修正とスピード

RHEL の修正を待たずに、コミュニティ主導で独自に脆弱性対応やバグ修正を行うことが可能です。また、RHEL のマイナーアップデートに対する追従リリースが非常に早いという特徴があります。

次期バージョン(AlmaLinux 10)への展望

次世代となる「AlmaLinux 10」以降においてもこの ABI 互換路線を継続し、法的な安全性を確保しつつ、ユーザーの利便性とリリーススピードを重視した柔軟な開発が計画されています。

Rocky Linux

Rocky Linux(ロッキーリナックス)は、元の CentOS プロジェクトの創設者である Gregory Kurtzer 氏が立ち上げた OS です。「CentOS の本来の理念を取り戻す」という目的で誕生しました。

完全互換(バグ・フォー・バグ)の維持

AlmaLinux とは対照的に、RHEL と「バグも含めて挙動が全く同じであること(完全互換)」を維持する方針を貫いています。

独自のソースコード取得ルート

Red Hat 社の制限に対しては、パブリッククラウドのイメージや UBI(Universal Base Image)など、利用規約に違反しない代替ルートからソースコードを調達し、RHEL の挙動を忠実に再現しています。「従来のCentOS と同じく、RHEL の完全なクローン」を厳格に求める環境に適しています。

MIRACLE LINUX

MIRACLE LINUX(ミラクルリナックス)は、サイバートラスト社が長年開発・提供してきた国産の Linux OS です。日本語による手厚い技術サポートが強みであり、国内のビジネスユースで多くの実績があります。

AlmaLinux への開発合流

注目すべき動向として、サイバートラスト社は「MIRACLE LINUX 9」を最後の単独リリースとし、次期バージョン(10系)以降は OS の開発を AlmaLinux コミュニティへ合流させることを発表しました。

STEP
実質的な AlmaLinux への移行

現在、同社は AlmaLinux の最上位スポンサーとして参画しており、国内向けの強力なサポート窓口として機能しています。そのため、今後のシステム更改において「国産の安心感とサポート」を基準に MIRACLE 陣営を選ぶことは、実質的に「商用サポート付きの AlmaLinux」を採用することを意味します。

目的別のおすすめ OS と導入ステップ

前述の特徴を踏まえ、具体的な利用シーンに応じた OS の選び方と、導入から初期設定までの大まかな流れを解説します。

結局どれを選ぶべきか?(要件に合わせた比較まとめ)

AlmaLinux と Rocky Linux は、どちらも世界的に広く利用されている安定した OS であり、実務での利用において大きな優劣はありません。最終的な選定は、自社の運用ポリシーや重視するポイントによって決定します。

比較項目Rocky LinuxAlmaLinux(旧 MIRACLE 陣営)
互換性の方針RHEL との完全互換(バグレベルで一致)ABI 互換(アプリケーションの正常動作を重視)
アップデート保守的(RHEL の修正に忠実に追従)迅速(独自の脆弱性対応やバグ修正も可能)
国内サポートグローバルコミュニティやパートナーが中心サイバートラスト社などによる手厚い商用支援
こんな環境に最適従来の CentOS と全く同じ挙動を求める環境リリースの早さや、将来的なサポート契約を視野に入れる環境

OS イメージのダウンロードとインストール概要

導入する OS が決定したら、各プロジェクトの公式サイトから ISO イメージファイルをダウンロードします。

MIRACLE LINUX は将来的に AlmaLinux へ統合されるため、新規導入の場合は AlmaLinux の利用が推奨されます。

インストール作業自体は、従来の CentOS や RHEL でおなじみのインストーラー(Anaconda)が採用されているため、これまでの経験をそのまま活かすことができます。

OS インストール後の初期設定(ネットワーク設定など)

OS のインストールが完了した後、サーバーとして利用するために最初に行うのがネットワーク設定です。 RHEL 系 OS では、IP アドレスの固定化や DNS 設定などに標準コマンドである nmcli を使用します。具体的な設定手順や、作業時によく発生する権限エラーの対処法については、以下の記事で解説しています。

まとめ

本記事では、CentOS の後継となる主要な RHEL クローン OS の特徴と選び方について解説しました。

  • CentOS のサポート終了に伴い、後継として AlmaLinux や Rocky Linux への移行が進んでいます。
  • AlmaLinux は柔軟性とスピードを重視し、Rocky Linux は RHEL との完全互換を追求しています。
  • MIRACLE LINUX は AlmaLinux へ開発合流するため、国産サポート重視なら AlmaLinux が選択肢です。

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。

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この記事を書いた人

インフラ(クラウド/NW/仮想化)から Web 開発まで、技術領域を横断して活動するエンジニア💻 コンシューマー向けエンタメ事業での新規開発・運営経験を活かし、実戦的な技術ノウハウを発信中

[ Certs ] CCIE Lifetime Emeritus / VCAP-DCA ✒️ [ Life ] 技術書・ビジネス書愛好家📖 / 小・中学校で卓球コーチ👟

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