はじめに
AI にゲームを作成させた場合、同じ指示からでも成果物の見た目や操作感には違いが出ます。本記事では、Claude Opus 5.5、Claude Opus 5、GPT-6 Astra の 3 モデルに同じプロンプトで卓球ゲームを作成させ、完成した成果物の見た目・操作性・動作を比較しました。Opus 5.5 の変更点や料金は、概要編『Claude Opus 5.5 とは|Opus 5 との違いと使い始めの確認事項』で整理しています。
先に同じ方法でレースゲームを作成した際は、Opus 5.5 の作品のビジュアルや、衝突時に車が回転する細かな反応が筆者の好みでした。今回は、ラケットの操作感とラリーのテンポを中心に比較しています。
- 3 モデルが作成した卓球ゲームの画面と特徴
- 操作方法と、記事執筆時に確認した動作
- 筆者が操作時に感じた違い
- 同じ条件でゲーム制作を試すためのプロンプト
結論を先に述べます。今回の成果物では、Opus 5 と Opus 5.5 はどちらも操作性がよく、甲乙つけがたいと感じました。あえて選ぶなら Opus 5.5 です。Astra は、ラケットの大きさとテンポが気になりました。いずれも今回の 3 作品を筆者が操作して感じた評価であり、モデル全般の性能順位を示すものではありません。
3 モデルが作成した卓球ゲーム
3 作品は、いずれも HTML ファイル 1 つで動作し、CPU と 5 点先取で対戦する卓球ゲームです。ラケットを左右に動かし、自分側で 1 回バウンドしたボールに合わせると自動で打ち返します。以下では、作品ごとに画面、特徴と操作方法、筆者の評価の順に紹介します。
掲載している 3 枚の画面の得点表示は撮影時点の状態であり、筆者の試合結果やモデルの強さを示すものではありません。
Opus 5.5「ねらえ!ピンポン」

青い卓球台と赤い床を手前から見下ろす、疑似 3D の画面です。手前の自分のラケットは半透明で描かれ、中央に打ち分けの目安となる線が入っています。ラケットの右側で当てると右へ、左側で当てると左へ返球され、打ち返した直後には、ねらった着地点に輪が表示されます。ボールには短い残像が付き、台でのバウンドには波紋、得点時には「CPUのコートで2バウンド」のような得点理由が表示されます。スマートフォンでは、画面下のエリアを左右にドラッグして操作します。
筆者の評価では、Opus 5 の作品と並んで操作性がよく、A・D キーでも操作できました。2 作品は甲乙つけがたいものの、あえて 1 つ選ぶなら今回はこの作品です。
Opus 5「ラリーマスター」

照明の当たる体育館をイメージした暗めの背景に、青い卓球台を置いた疑似 3D の画面です。縦長の画面構成のため、パソコンの横長の画面では左右に余白を取って表示されます。ラケットの端で当てるほど返球方向が大きく左右に変わり、タイトル画面でもコースをねらえることを案内しています。CPU には反応までの待ち時間と移動速度の上限が設定されています。スマートフォンでは、画面下の帯をなぞって操作します。
筆者の評価では、操作性がよく、Opus 5.5 の作品と大きな差は感じませんでした。
Astra「ラリー日和」

明るいクリーム色の背景に緑の卓球台を置き、上部に得点板、下部にスライダー型の操作パッドを並べた画面です。ラケットには「あなた」「CPU」の文字が入っています。コートの上には「真ん中はまっすぐ、左右の端はコースをねらえる」といった案内が表示され、サーブの前と得点時には、コート中央のカードにカウントダウンや得点理由が表示されます。試合後には最長ラリーと返球回数を確認でき、ブラウザーのタブを離れると自動で一時停止します。操作パッドはパソコンでも表示され、マウスのほかドラッグでも操作できます。
筆者の評価では、今回の作品はほかの 2 作品ほど好みではありませんでした。ラケットが大きすぎるように感じたほか、テンポが悪いという印象を受けました。
見た目・操作性・動作の比較
3 作品の違いを、HTML の実装、記事執筆時の動作確認、筆者の評価に分けて整理します。
| 項目 | Opus 5.5 | Opus 5 | Astra |
|---|---|---|---|
| 画面の構成(実装) | 横長、疑似 3D | 縦長、疑似 3D | 縦に得点板・コート・操作パッド |
| キーボード操作(実装) | ← → キー、A・D キー | ← → キー(1 回押すごとに移動) | ← → キー(押し続けると連続移動) |
| 音の初期状態(実装) | オン | オン | オフ |
| マウス・キー操作の動作確認 | ← → と A・D でラケットが移動 | ← → でラケットが移動 | ← → でラケットが移動 |
| 音ボタンの動作確認 | 試合中に表示の切り替えを確認 | 試合中に表示の切り替えを確認 | 試合中に表示の切り替えを確認 |
| 筆者の評価 | 操作性がよい。あえて選ぶならこの作品 | 操作性がよく、Opus 5.5 と大差なし | ラケットの大きさとテンポが気になった |
キーボード操作の案内は作品によって異なります。Opus 5.5 のタイトル画面は ← → キーのみを案内していますが、実装は A・D キーにも対応しています。Opus 5 は ← → キーに対応していますが、画面上の案内はありません。Astra は、画面下部の案内どおり ← → キーに対応しています。
音ボタンは、ボタン表示と状態の切り替えまでを確認したもので、スピーカーから実際に音が出ることは確認していません。また、Claude の 2 作品は、タイトル画面の表示が音ボタンの上に重なるため、タイトル画面では音ボタンを押せませんでした。
Astra のラケットについて、各作品の描画用の寸法(台の幅に対するラケット面の横幅)で比べると、Astra が約 4 分の 1、Opus 5.5 が約 6 分の 1、Opus 5 が約 7 分の 1 です。当たり判定の幅や、画面上に投影された幅を比べた値ではありません。テンポについては筆者が操作時に受けた印象であり、処理落ちや入力の遅れといった技術的な要因を特定したものではありません。
制作に使用したプロンプトと検証条件
同じ条件でゲーム制作を試せるように、3 作品に共通する仕様、使用したプロンプト、比較の条件を示します。
3 作品に共通する仕様と簡易ルール
3 作品の HTML には、次の仕様が共通して実装されています。
- ブラウザーで HTML ファイル 1 つを開くだけで動作する。
- プレイヤーと CPU が対戦し、5 点を先取した側が勝つ。
- サーブは自動で打たれ、1 点ごとに交代する。
- 1 回バウンドしたボールにラケットを合わせると、自動で打ち返す。
- ラケットの当たる位置で、返球方向が左右に変わる。
- パソコンはマウス、スマートフォンはドラッグで操作する。
- 音のオン・オフと一時停止に対応する。
競技規則は簡略化されており、3 作品ともデュース、回転、レットを省いています。
使用したプロンプト
3 モデルには、次のプロンプトを使用しました。
ブラウザで遊べる、プレイヤー対 CPU の卓球ゲームを作成してください。
卓球台を手前から見る、奥行きのある画面にしてください。ボールが台でバウンドし、ラケットで打ち返す様子が分かり、ラリーが続く楽しさとコースを狙う面白さを感じられるゲームを目指してください。
【動作条件】
* HTML・CSS・JavaScript を1つの HTML ファイルにまとめてください。
* 外部ライブラリ、外部画像、外部フォント、外部通信は使用しないでください。
* 保存した HTML ファイルをブラウザで開くだけで動作させてください。インストールやビルドは不要です。
* PC とスマートフォンの両方に対応し、画面サイズに合わせて表示してください。
* 描画方法は自由です。疑似 3D でも構いません。
【画面と操作】
* 卓球台の手前をプレイヤー、奥を CPU とし、中央にネットを配置してください。
* PC はマウス、スマートフォンは画面上のドラッグで、手前のラケットを左右に動かします。
* 指でボールやラケットが隠れにくいよう、操作領域や表示位置を工夫してください。
* 返球は、ボールが打てる位置に来たとき、ラケットが合っていれば自動で行います。クリックやタップによるスイング操作は不要です。
* ラケットのどこに当てたかで返球方向が変わり、左右のコースを狙えるようにしてください。
* 操作とラケットの動きの対応を分かりやすくし、最初から速すぎない設定にしてください。
【ボールとラリー】
* ボールには高さがあり、ネットを越え、台の上でバウンドする動きを表現してください。
* ボールの大きさや影などを使い、位置と高さを把握しやすくしてください。
* 返球は、自分側で1回バウンドしたボールを打ち、相手側の台に入れる流れにしてください。
* 打球ごとに無制限に速くならないよう、ラリーを楽しめる速度に調整してください。
* CPU には反応時間と移動速度の限界を設け、コースを狙えば得点できるようにしてください。瞬間移動や、必ず返球する動作にはしないでください。
* ネットや台の端でボールが止まる、ラケットに何度も連続衝突するなど、ラリーが進まなくなる状態を防いでください。
【簡易ルール】
* 先に5点取った側が勝ちです。デュースはありません。
* 自分側で2回バウンドするか、打てる位置を通過しても返せなかった場合は、相手の得点です。
* 打ったボールがネットを越えない、または相手側の台に入らなかった場合は、打った側の失点です。
* 1回のラリーにつき得点は1回だけ加算してください。
* 最初と各得点後は、短いカウントダウンを挟み、自動サーブで次のラリーを始めてください。
* サーブ担当は1点ごとに交代します。サーブは自分側、相手側の順に1回ずつバウンドさせてください。
* 回転、レット、細かな競技規則は省略して構いません。遊び方には簡易ルールであることを記載してください。
【必要な機能】
* 開始画面に、ゲームタイトル、短い遊び方、スタートボタンを表示してください。
* プレイ中は両者の得点と、現在のラリーの返球回数を表示してください。
* 試合終了時に勝敗と最終得点を表示し、もう一度遊べるようにしてください。
* リスタート時は、得点、ボール、ラケット、CPU、ラリー回数などを初期化してください。
* 一時停止・再開ボタンを付けてください。別タブへ移動した場合も一時停止し、戻ってから手動で再開できるようにしてください。
* 再開時は短いカウントダウンを入れ、いきなりボールが飛んでこないようにしてください。
* ゲームのドラッグ操作でページが意図せずスクロールしないようにしてください。
* 画面内の説明やボタンは日本語にしてください。
【デザインと演出】
配色、背景、ラケットの描き方、ゲームタイトルは自由に考えてください。
打球、台でのバウンド、ネットへの衝突、得点、勝敗が分かるよう、見た目や音で反応を付けてください。音を付ける場合はブラウザ内で合成し、オン・オフを切り替えられるようにしてください。
演出でボールが見えにくくならないようにし、操作への反応と、気持ちよくラリーできることを優先してください。
【出力】
* 完成したファイルを table-tennis.html として出力してください。
* ファイルを添付できない場合は、保存して実行できる HTML 全文を1つのコードブロックで出力してください。
* 未完成のひな形ではなく、そのまま遊べるものにしてください。
* 不明点は合理的に判断し、追加質問をせず完成させてください。
* 動作確認できる環境があれば、開始、操作、ラリー、得点、試合終了、リスタート、一時停止・再開を確認してください。
* 回答末尾には、実際に確認した内容と未確認の範囲を短く記載してください。実行していない場合は、その旨を明記してください。検証条件
比較の対象は、同じプロンプトから 3 モデルが作成した HTML ファイル各 1 本です。記事執筆のために HTML は修正していません。
筆者の評価とは別に、記事執筆時に 3 作品を同じ環境で開き、試合の開始、マウスとキーボードでのラケット移動、音ボタンの切り替え、Esc キーでの一時停止を確認しました。確認環境はヘッドレスの Chromium(画面サイズ 1280×800)で、いずれもブラウザーのエラーは表示されませんでした。短時間の基本操作の確認であり、網羅的な品質評価ではありません。各モデルが完成時に報告したテスト結果は、テストの方法がモデルごとに異なるため、比較には使用していません。
Astra の仕様や料金は『GPT-6 Astra の料金と提供範囲|GPT-5.6 との使い分け』、同じ 3 モデルでデータ分析を比較した結果は『Opus 5.5・Opus 5・Astra を比較検証|実データで記事提案を確認』で扱っています。
まとめ
同じプロンプトから作成された 3 つの卓球ゲームは、画面構成、操作方法、打球まわりの演出にそれぞれ違いがありました。筆者の評価では Opus 5 と Opus 5.5 の操作性が甲乙つけがたく、あえて選ぶなら Opus 5.5 でした。各作品を実際に操作したり、同じプロンプトでゲーム制作を試したりして、ご自身の用途や好みと比べてみてください。
- 3 モデルに同じプロンプトで卓球ゲームを作成させて比較した。
- Opus 5.5 は着地点の輪や残像など、打球の反応が見えやすい作品
- Opus 5 は体育館風の画面で、端で当てると返球方向が大きく変わる。
- Astra は明るい画面で、下部の操作パッドが常に表示される。
- キーボード操作の対応範囲と案内は、作品ごとに異なる。
- 筆者は Opus 5 と 5.5 の操作性を好み、あえて選ぶなら Opus 5.5
- Astra の作品は、ラケットの大きさとテンポが筆者には気になった。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。
