Windows エクスプローラーのツリーを非表示にする方法(ドライブ・フォルダ・ネットワークの表示を制限)

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目次

はじめに

Windows のエクスプローラーを開くと、左側の領域(ナビゲーションウィンドウ)には、「クイックアクセス」「PC(ドキュメント等のフォルダ)」「ネットワーク」など、多くの項目が標準で表示されています。

個人利用であれば便利ですが、会社のシステム管理者としては、「ユーザーに余計な場所を触らせたくない」「誤操作を防ぎたい」 と感じる場面も多いのではないでしょうか。

本記事では、グループポリシー(GPO)およびレジストリ編集を駆使して、これらのツリー表示を非表示にし、エクスプローラーを極限までシンプルにする方法を紹介します。

この記事でできること
  • Cドライブ等 の特定ドライブを隠す
  • 「ドキュメント」「ピクチャ」 などのユーザーフォルダーを消す
  • 「クイックアクセス」「ネットワーク」 アイコンを消す

想定される利用シーン

この設定は、主に以下のような「機能を制限したい環境」で役立ちます。

共有PC / キオスク端末

不特定多数が触るため、C ドライブやネットワークへのアクセスを隠したい。

VDI(仮想デスクトップ)

ユーザープロファイル領域以外への保存を禁止したい。

シンクライアント

ローカルディスクへの書き込みを視覚的に防ぎたい。

作業前の注意事項

本記事の手順には、Windows の レジストリ(Registry) を直接編集する操作が含まれます。

レジストリは Windows の設定情報が格納されている重要なデータベースです。誤った値を設定したり、必要なキーを削除してしまうと、最悪の場合 Windows が起動しなくなる などの深刻な不具合を引き起こす可能性があります。

作業は自己責任でお願いします

マイクロソフト社も、レジストリの直接編集は推奨していません。 作業を行う前に、必ず 「システムの復元ポイントの作成」「レジストリのバックアップ」 を取得し、万が一の際に元の状態に戻せる準備をしてから実施してください。

ドライブ(C ドライブ等)を非表示にする

まずは、ユーザーにシステムドライブ(C ドライブなど)の中身を勝手に見られないよう、ドライブアイコン自体を非表示にします。 この設定はレジストリを使わず、標準の 「ローカルグループポリシーエディター」 で安全に行えます。

STEP
グループポリシーエディターを起動

キーボードの [Windows] + [R] キーを押し、「ファイル名を指定して実行」を開きます。 名前に gpedit.msc と入力して「OK」をクリックします。

STEP
設定項目へ移動

左側のツリーから、以下の順に展開します。 ユーザーの構成 > 管理用テンプレート > Windows コンポーネント > エクスプローラー

STEP
ポリシーの有効化

右側の一覧から、以下の設定を探してダブルクリックします。 「指定したドライブを [マイ コンピューター] 内で非表示にする」

設定画面が開いたら、以下のように変更して「OK」をクリックします。

  • 状態: [有効] を選択
  • オプション: コンボボックスから非表示にしたいドライブ範囲(例: C ドライブのみ制限するA、B、C、および D ドライブのみ制限する)を選択

この設定はあくまで「アイコンを隠す」だけです。 アドレスバーに直接 C:\ と入力したり、コマンドプロンプト経由であればアクセス可能です。アクセス自体を拒否したい場合は、別途「ドライブへのアクセスを拒否する」ポリシーを使用してください。

    ユーザーフォルダー(ドキュメント等)を非表示にする

    次に、「PC(マイコンピュータ)」を開いた時に上部に表示される「ドキュメント」「ピクチャ」「ダウンロード」などのユーザーフォルダー群を非表示にします。 これらは GPO では設定できないため、レジストリを編集します。

    設定の基本手順

    1. レジストリエディター (regedit) を起動します。
    2. 以下のパスを基準に、対象フォルダーの GUID(下記一覧参照)へ移動します。
    HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\FolderDescriptions\{GUID}\PropertyBag
    1. PropertyBag キーの中にある ThisPCPolicy という値をダブルクリックし、データを Hide に変更します。 (※元に戻す場合は Show にします)

    対象フォルダーと GUID 一覧

    非表示にしたい項目の {GUID} を探し、それぞれの PropertyBag 内を設定してください。

    対象フォルダーGUID(FolderDescriptions 直下)備考
    ピクチャ{0ddd015d-b06c-45d5-8c4c-f59713854639}
    ビデオ{35286a68-3c57-41a1-bbb1-0eae73d76c95}
    ダウンロード{7d83ee9b-2244-4e70-b1f5-5393042af1e4}
    ミュージック{a0c69a99-21c8-4671-8703-7934162fcf1d}
    ドキュメント{f42ee2d3-909f-4907-8871-4c22fc0bf756}
    デスクトップ{B4BFCC3A-DB2C-424C-B029-7FE99A87C641}要作成

    「デスクトップ」のフォルダーには、初期状態で ThisPCPolicy という値が存在しない場合があります。 その場合は、右クリック > 新規 > 文字列値 (REG_SZ)ThisPCPolicy を作成し、データを Hide に設定してください。

    クイックアクセスを非表示にする

    エクスプローラーの一番上にある「クイックアクセス」を非表示にします。 ここは手順が少し複雑です。「起動設定の変更」「表示設定の変更(権限操作あり)」 の2段階で進めます。

    STEP
    エクスプローラーの起動先を変更する

    クイックアクセスを消す前に、エクスプローラーを開いた時の初期表示を「PC」に変更しておきます。(これをしないと、開いた瞬間にエラーになったり挙動がおかしくなる可能性があります)

    1. レジストリエディターで以下のキーへ移動します。
    HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advanced
    1. 右クリック > 新規 > DWORD (32ビット) 値 を作成します。
    2. 名前を LaunchTo にし、データを 1 に設定します。
    STEP
    レジストリキーの所有者を変更する

    次に、表示設定を司るキーを編集したいのですが、デフォルトでは管理者(Administrator)ですら編集できない権限設定になっています。まずは編集権限を自分自身に付与します。

    1. 以下のキーへ移動します。
    HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\{679f85cb-0220-4080-b29b-5540cc05aab6}\ShellFolder
    1. ShellFolder キーを右クリックし、「アクセス許可」 を選択します。
    2. 「詳細設定」ボタンをクリックします。
    3. 「所有者: TrustedInstaller (または SYSTEM)」の横にある 「変更」 をクリックします。
    4. 選択するオブジェクト名に Administrators と入力し、「名前の確認」>「OK」をクリックします。
    5. 所有者が Administrators に変わったことを確認し、「OK」で詳細設定画面を閉じます。
    6. 元のアクセス許可画面に戻ったら、グループ名から Administrators を選択し、下の許可欄で 「フル コントロール」 にチェックを入れ、「OK」をクリックします。

    これで、このキーを編集する権限が得られました。

    STEP
    レジストリ値を変更して非表示にする

    権限を得たあとは値を書き換えます。

    1. 先ほどの ShellFolder キーの中にある Attributes という値をダブルクリックします。
    2. データを以下の値に変更し、「OK」をクリックします。
      • 変更前: a0100000 (環境により異なります)
      • 変更後: a0600000 (16進数)

    これでクイックアクセスの非表示設定は完了です。

    ネットワークアイコンを非表示にする

    最後に、ナビゲーションウィンドウにある「ネットワーク」アイコンを非表示にします。 これは特定のレジストリキーを削除するだけで対応可能です。

    設定手順

    1. レジストリエディターで以下のキーへ移動します。
    HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Desktop\NameSpace
    1. NameSpace キーの下に、以下の GUID を持つキー(フォルダ)があるか探します。 {F02C1A0D-BE21-4350-88B0-7367FC96EF3C}
    2. 見つけたら、そのキー({F02C...})ごと 右クリック > 削除 します。

    削除する前に、対象のキーを右クリックして 「エクスポート」 し、バックアップファイル(.reg)を保存しておくことを強く推奨します。 元に戻したい時は、そのファイルをダブルクリックするだけで復元できます。

    まとめ

    本記事では、GPO とレジストリ操作を組み合わせて、エクスプローラーのナビゲーションウィンドウをカスタマイズする方法を紹介しました。

    最後に、本設定を適用する際の運用ポイントを整理しておきます。

    再起動が必要です

    レジストリ設定の多くは、Windows の再起動(またはサインアウト) 後に反映されます。設定直後に変わらなくても焦らず再起動を試してください。

    利便性とのトレードオフ

    クイックアクセスやドキュメントフォルダは、慣れているユーザーにとっては便利な機能です。 一般社員のPCですべて無効化すると「使いにくい!」という苦情に繋がる可能性があるため、「キオスク端末」や「共有PC」など、用途を限定した端末への適用 をおすすめします。

    バックアップの保管

    作成した「レジストリのバックアップファイル(.reg)」は、管理者しかアクセスできない場所に大切に保管しておいてください。システム更新などで設定がリセットされた場合の復旧にも役立ちます。

    以上、最後までお読みいただきありがとうございました。

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    この記事を書いた人

    クラウド・ネットワーク・セキュリティ・仮想化・プログラミング・オープンソース・Web 開発をテーマにしたブログを運営👨‍💻 コンシューマー向けエンタメ事業の新規開発・運営経験 / VCAP-DCA・CCIE Lifetime Emeritus 認定 / 技術とビジネス書愛好家📚

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