【書評】マッキンゼー流 47の原則|「30秒で伝える」技術と「ゴーストデッキ」の魔法

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目次

はじめに

「仕事が速い人と、そうでない人の違いは何だろう?」

そんな疑問への答えが詰まった一冊が、今回紹介する本(『マッキンゼー流 入社1年目の教科書』)です。ここには、世界的なコンサルティングファームで実践されている「47の原則」が紹介されています。

今回はその中から、私が特に実践的だと感じたヒントをピックアップして紹介します。 私自身、読んでみて「まだできていないな」と痛感する部分も多く、自戒を込めてまとめました。

伝達: なぜ「30秒」で答える必要があるのか?

ビジネスの現場ではよく「30秒で説明して(エレベーターピッチ)」と言われます。 これ、単に「早口で喋れ」とか「瞬時に反応しろ」という意味だと思っていませんか? 本書の教えは違います。

「30秒以内の回答」の本質 = 3つのキーに絞って伝えること

3つのキー内容
① 要点最も伝えたい結論やメインポイント
② フック相手の興味・関心を引きつける要素
③ 削減不要な詳細をバッサリ省く勇気

どれだけ短くても、中身がなければ相手には響きません。「簡潔かつ魅力的」であって初めて、相手の時間を奪わずに価値を提供できるのです。

私の場合、技術的な話題になると、どうしても正確に伝えようとして「詳細」に走りがちです(エンジニアあるあるですね…)。 しかし、相手(特に非エンジニアの上司や顧客)がそれを求めていない場合、その熱心な説明はノイズになってしまいます。 「30秒」という制約を自分に課すことで、強制的に枝葉を切り落とし、核心だけを伝えるトレーニングになると感じました。

心理: 「再クリック」と「ダーツ」で相手を惹きつける

相手に話を聞いてもらうためには、心理的なテクニックも有効です。本書ではユニークな2つの理論が紹介されています。

再クリック理論

Web記事の見出しを見て「もっと読みたい!」と思ってクリックする瞬間。あれを会話でも再現する技術です。 冒頭で「相手の興味を引く情報(メリットや驚き)」を提示し、「それ、どういうこと?」と相手に身を乗り出させるのです。

ダーツの理論

いきなり核心(中心)を突くのではなく、「外側(周辺情報)」から投げて、徐々に中心(本質)に近づけていく手法です。 いきなり結論を言うと唐突すぎる場合、相手の理解度に合わせて「外堀」から埋めていくことで、理解の土台を作ることができます。

「ダーツの理論」は、結論ファーストとは逆のアプローチに見えますが、相手が背景を知らない場合には非常に有効だと感じました。 いきなり核心を突くと相手が引いてしまうこともありますからね。周辺情報で「空気」を作ってから本題に入る。このバランス感覚は難しいですが、継続的に意識していきたいスキルです。

段取り: 資料作成は「ゴーストデッキ」から始めよ

アウトプット(資料作成など)のスピードを劇的に上げる方法として紹介されているのが「ゴーストデッキ」です。

ゴーストデッキとは?
  • 具体的な中身(文章やグラフ)を入れる前の、「全体の構成案(スライドごとのタイトルやメッセージ)」のこと。
  • まだ中身がない「お化け(ゴースト)」の状態

いきなりパワポを開いて綺麗な図を作り始めるのではなく、まずは手書きでもいいので「全体のストーリー」を作る。これを合意してから作業に入れば、手戻りはなくなります。

これ、プロジェクト進行の基本ですが、意外とできていないことが多いですよね。 「とりあえず作りながら考えよう」と見切り発車して、後から「全体の流れがおかしい」と修正するのは時間の無駄です。 最初に「ゴースト(骨組み)」を作ることで、必要な作業と不要な作業が明確になり、最短距離でゴールに辿り着けるのだと再認識しました。

戦略: 「クリティカルパス」を見極めて集中する

最後に、業務を効率化するための「選択と集中」についてです。

仕事には、「ここが遅れると全体が遅れる」 という最重要ポイント(クリティカルパス)が必ず存在します。 また、その業務が会社の「財務(売上や利益)」にどう繋がっているかを意識することも重要です。

  • 重要ポイントの特定: すべてを完璧にするのではなく、クリティカルパスにリソースを集中する。
  • 余分な要素の排除: 結果に影響しない作業は勇気を持って捨てる。

忙しいと、目の前のタスクを「来た順」に片付けてしまいがちですが、それは戦略的ではありませんよね。 「この作業はプロジェクト全体のスケジュールにどう影響するか?」「これは会社の利益にどう繋がるか?」 この視点を持つだけで、仕事の優先順位がガラリと変わるはずです。エンジニアとしても、技術だけでなくビジネスインパクト(財務)を意識した動きができるようになりたいと思いました。

まとめ

本書には「47の原則」がありますが、すべてを一度に完璧にこなす必要はありません。

本書からの学び
  • 説明は「30秒」で要点とフックを入れる。
  • 資料は「ゴーストデッキ(構成)」から作る。
  • 「クリティカルパス」を見極めて手を抜くところは抜く。

まずは「これならできそう」と思うものを一つ選び、今日の仕事から取り入れてみてはいかがでしょうか?

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。

今回紹介した本

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この記事を書いた人

インフラ(クラウド/NW/仮想化)から Web 開発まで、技術領域を横断して活動するエンジニア💻 コンシューマー向けエンタメ事業での新規開発・運営経験を活かし、実戦的な技術ノウハウを発信中

[ Certs ] CCIE Lifetime Emeritus / VCAP-DCA ✒️ [ Life ] 技術書・ビジネス書愛好家📖 / 小・中学校で卓球コーチ👟

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