はじめに
ホスト名・ドメイン名・サブドメイン名・FQDN はしばしば混同されますが、それぞれの基本的な定義について解説したいと思います。
また、関連する内容としてネイキッドドメインについても触れたいと思います。
実際の例
ホームページの URL「https://www.abcdef.mytech-blog.com 」の場合、ホスト名・ドメイン名・サブドメイン名・FQDN は次のとおりです。
ドメイン名とは
インターネット上の「住所」になります。
例えば、本サイトでは「mytech-blog.com」で、はてなブログは「hatenablog.com」になります。
ドメイン名は、一般の住所と同様に重複してはいけないというルールがあり、ICANN(アイキャン)[1]Internet Corporation for Assigned Names and Numbersという組織を中心に管理されています。
具体的には、ICANN は TLD[2]Top Level Domain 全体の管理を行い、ICANN から委任された「レジストリ」という組織が TLD の登録・管理を行います。
例えば、「.com」は、アメリカの Verisign, Inc.が管理しています。
また、ドメイン登録希望者とレジストリの間を取り次ぐ事業者のことを「レジストラ」と呼びます。「お名前.com」や「ムームードメイン」がこれに該当します。
サブドメイン名とは
「mytech-blog.com」ドメインに「abcdef.mytech-blog.com」のように文字列を追加して区分けしたもので、1つのドメインを目的別に分割して使用することができます。
一方で、SSL 証明書はサブドメイン毎に必要となることから、サブドメインが多いとコストがかかるデメリットがあります。
ホスト名とは
サーバーにつけるシステム名です。ホスト名とサブドメイン名はしばしば混同されますが、後述の「ネイキッドドメイン」の話をするときにややこしいので、個人的に意識して分けています。
FQDN とは
FQDN[3]Fully Qualified Domain Name:完全修飾ドメイン名は、ドメイン名・サブドメイン名・ホスト名を全て含む文字列です。
サブドメイン名の解説で「SSL 証明書はサブドメイン毎に必要」と書きましたが、正確には FQDN 毎に必要となります。
SSL 証明書の詳細については、以下の記事をご参照ください。
SSL サーバー証明書とは ユーザーと Web サイト間の通信を保護してデータの盗聴や改ざんを防止する仕組みです。SSL サーバー証明書には「サイトの実在証明」と「通信の暗号化」の2つの機能が[…]
ネイキッドドメインとは
www などのホスト名のないドメインで、実際の例でいうと「abcdef.mytech-blog.com(サブドメイン名・ドメイン名)」や「mytech-blog.com(ドメイン名)」を指します。[4]別名で「APEX ドメイン」などと呼ばれます。
このブログもそうですが、最近は URL がネイキッドドメインのサイトが増えています。
URL がシンプルになるメリットがある一方で、CNAME レコードには対応していないので注意が必要です。
レコードの書き方(例)
サイトの URL をネイキッドドメインで公開した場合は、A コードで次のように書きます。
mytech-blog.com. A 100.64.1.1
CNAME レコードは不可
RFC 上で CNAME レコードは他のレコードと共存できないとされています。
2.4 CNAME records
RFC 1912 – Common DNS Operational and Configuration Errors
A CNAME record is not allowed to coexist with any other data. Inother words, if suzy.podunk.xx is an alias for sue.podunk.xx, youcan’t also have an MX record for suzy.podunk.edu, or an A record, oreven a TXT record. Especially do not try to combine CNAMEs and NSrecords like this!
mytech-blog.com CNAME xxx.elb.amazon.com
と書いた場合、次のような設定ができないためです。
mytech-blog.com MX mail64.conoha.ne.jp
mytech-blog.com NS ns-a1.conoha.io
はじめに DNS(Domain Name System)は、ドメイン名と IP アドレスを紐づけるシステムで、DNS レコードはドメイン名と IP アドレスの対応表です。[5]対応表はゾーンファイルと呼ばれます。主な DNS レコ[…]
以上