はじめに
Gemma 4 などの AI モデルや新しい Web サービスをローカルで動かす際、「Docker コマンドを実行してくださいと書いてあるけれど、そもそもどこに打ち込めばいいの?」と戸惑う方は少なくありません。
Docker を初めて利用する場合、まずは土台となる Docker Desktop を OS(今回は Windows 11)にインストールし、コマンドを受け付けるターミナル環境を準備することが推奨されます。
本記事では、コンテナの共有プラットフォームである Docker Hub の概要を整理し、Windows 11 環境への Docker Desktop の導入から初期セットアップ、そして最初のコマンドを実行するまでの手順を解説します。
- Docker Hub の基本的な概念と OCI アーティファクトの役割
- Windows 11 における WSL 2 の準備と Docker Desktop のインストール手順
- アカウント作成と初期リソース(メモリ等)の推奨設定
- PowerShell を用いた最初のコマンド実行と動作確認
Docker Hub とは?(コンテナイメージの共有プラットフォーム)
Docker を利用する上で欠かせないのが Docker Hub の存在です。簡単に言えば、スマートフォンのアプリストアのように、世界中の開発者や企業が作成した「コンテナイメージ」を保管し、インターネット経由で共有するためのクラウドサービスです。
Docker Hub の基本的な役割と仕組み
システムの実行に必要な OS の設定、ミドルウェア、ライブラリなどがすべてパッケージ化されたものをコンテナイメージと呼びます。 Docker Hub には、Nginx(Web サーバー)や Python、MySQL などの公式イメージが豊富に揃っており、手元の PC にダウンロード(Pull)するだけで、即座に同じ環境を再現することが可能になります。複雑なインストール作業や環境依存のトラブルを省くことができるため、開発や検証の効率化につながります。
AI モデル(OCI アーティファクト)の配布元としての活用
近年、Docker Hub は単なるソフトウェアの配布だけでなく、Gemma 4 のような大規模言語モデル(LLM)の配布プラットフォームとしても進化しています。 AI モデルを OCI アーティファクトという標準化された形式でパッケージ化することで、専用のツール群を導入することなく、使い慣れた Docker コマンド一つで手元の環境へ安全に取得できるようになります。AI 開発を手軽に始めたい初心者にとって、ホスト環境を汚さずに最新モデルを試せる Docker Hub の活用を強くおすすめします。

Windows 11 への Docker Desktop 導入と要件
Windows 11 環境で Docker を快適かつ高速に動作させるためには、Microsoft が提供する Linux 互換環境である WSL 2(Windows Subsystem for Linux)を基盤として利用するアーキテクチャが推奨されます。
WSL 2 の事前準備と有効化
最新の Windows 11 であれば、WSL 2 の導入は非常にシンプルです。まずは画面下のスタートボタンを右クリックし、「ターミナル(管理者)」または「Windows PowerShell(管理者)」を開きます。 表示された黒い画面(または青い画面)に以下のコマンドを入力し、Enter キーを押して WSL 2 のインストールを実行することをおすすめします。
wsl --install
インストールが完了するとシステムの再起動が求められるため、指示に従って Windows 11 を再起動します。
Docker Desktop のダウンロードからインストールまでの流れ
OS の準備が整ったら、Docker の公式サイトから Windows 向けのインストーラー(Docker Desktop for Windows)をダウンロードします。 ダウンロードした実行ファイルをダブルクリックしてインストールを開始します。途中の設定画面で「Use WSL 2 instead of Hyper-V」という項目が表示された場合は、そのままチェックが入った状態でインストールを進めることが推奨されます。

インストールが完了したら「Close and restart」をクリックして、設定をシステムに反映させます。
初期セットアップとアカウント連携(サインイン)
インストール完了後、スタートメニューから Docker Desktop を起動し、ローカル環境の初期セットアップを行います。
Docker Desktop の初期設定とリソース割り当ての確認
初回起動時にはソフトウェアの利用規約(Service Agreement)が表示されるため、内容を確認して同意(Accept)を選択します。 画面が開いたら、右上の歯車アイコン(Settings)をクリックして設定画面を確認することをおすすめします。WSL 2 ベースの環境では、メモリなどのシステムリソースは Windows 側で動的に最適化されますが、今後のステップで Gemma 4 などの AI モデルを安定して稼働させるため、ご自身の PC 全体のメモリ(RAM)が少なくとも 8GB または 16GB 以上搭載されているか、タスクマネージャー等で事前に確認しておくことが推奨されます。
Docker Hub アカウントの作成とローカル環境からのサインイン
必須ではありませんが、Docker Hub からイメージを取得(Pull)する際の制限を緩和したり、自身のイメージを管理したりするために、無料の Docker Hub アカウントを作成してログイン状態にしておくことをおすすめします。
ブラウザで Docker Hub の公式サイトにアクセスし、新規アカウント(Docker ID)を作成します。その後、ローカルの Docker Desktop 画面右上にある「Sign in」ボタンをクリックします。自動的にブラウザが立ち上がり認証を求められるため、先ほど作成したアカウントでログインを行うと、ローカル環境との連携が完了します。

最初のコマンド実行(ターミナルからの pull と確認)
Docker Desktop の準備が完了したら、いよいよコマンドを入力してコンテナを動かしてみます。Docker コマンドは、専用のソフトではなく Windows に標準搭載されている「ターミナル」アプリから実行します。
PowerShell やコマンドプロンプトを利用したコマンドの実行方法
画面下のスタートボタンをクリックし、検索窓に powershell または cmd と入力して「Windows PowerShell」あるいは「コマンドプロンプト」を開きます。これが、今後 Docker を操作するためのメイン画面となります。
黒(または青)の背景に文字だけが表示される画面が開いたら、まずは Docker が正常にインストールされているかを確認するため、以下のコマンドを入力して Enter キーを押すことをおすすめします。
docker --versionバージョン情報が表示されれば、コマンドを受け付ける準備はできています。
動作確認(Hello World イメージの取得とコンテナ起動)
最後に、実際に Docker Hub からイメージを取得(pull)し、コンテナを起動(run)する一連の流れをテストしてみましょう。Docker 公式が用意しているテスト用の軽量イメージである hello-world を使用することが推奨されます。
ターミナルに以下のコマンドを入力し、Enter キーを押します。
docker run hello-world
このコマンドを実行すると、ローカル環境に hello-world イメージがないか確認が行われ、自動的に Docker Hub からダウンロード(pull)され、そのまま実行(run)されます。 画面に「Hello from Docker!」というメッセージが表示されれば、環境構築は無事に成功です。これで、Gemma 4 などの高度な AI モデルを取得して動かすための土台ができました。
まとめ
本記事では、Docker Hub の概要と Windows 11 環境における Docker Desktop の初期セットアップ手順について解説しました。
- Docker Hub はコンテナや AI モデルを簡単に取得・共有できるプラットフォーム
- Windows 11 では、パフォーマンス向上のため WSL 2 の有効化が推奨される。
- Docker Desktop インストール後は、リソース確認とアカウント連携をしておくのがおすすめ。
- コマンドは PowerShell 等のターミナルから入力し、操作を実行する。
- テスト用イメージ(hello-world)を利用して動作確認を行う。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。
