はじめに
Ubuntu 環境で開発や作業を進める際、ファイルのバックアップや別 PC とのデータ共有先として Google Drive を連携しておくと非常に便利です。Ubuntu のインストールと初期設定が完了した後のステップとして、クラウドストレージのマウントは多くのユーザーが行う設定の一つです。
Ubuntu Desktop には、標準機能(GUI)を利用して個人の「マイドライブ」を簡単にマウントする機能が備わっています。一方で、企業や組織で利用される「共有ドライブ」へアクセスするには、標準機能ではなく専用のツールを導入する必要があります。
本記事では、個人のマイドライブと組織の共有ドライブ、それぞれの用途に合わせたマウント手順と、設定時に発生しやすい接続エラーの解消法について解説します。
- Ubuntu 標準機能を用いた個人の「マイドライブ」のマウント手順
- 「インターネット接続がありません」というエラーが発生した場合の対処法
google-drive-ocamlfuseを用いた組織の「共有ドライブ」のマウント手順
標準機能(GUI)でマイドライブをマウントする方法
Ubuntu Desktop には「GNOME オンラインアカウント」という機能が標準で備わっており、数ステップの GUI 操作で個人の Googl eアカウント(マイドライブ)をファイルマネージャーにマウントできます。
GNOME オンラインアカウントの設定とマウント手順
- 画面左下の「アプリケーションを表示する」から「設定」を開き、左メニューの「オンラインアカウント」を選択します。

端末(ターミナル)から $ gnome-control-center online-accounts を実行して直接開くことも可能です。
- アカウントのリストから「Google」を選択し、ブラウザ画面で対象の Google アカウントにログインしてアクセスを「許可」します。
- 設定完了後、標準の「ファイル」アプリを開くと、左側のサイドバーに自身のGoogleアカウントが表示されます。これを右クリックして「マウント」を選択します。
これで、ローカルのディレクトリと同様に Google Drive 上のファイル(マイドライブ)を GUI で操作できるようになります。また、マウントしたディレクトリ上で右クリックして「端末で開く」を選択すれば、コマンドライン(CLI)からのアクセスも可能です。
注意点: 接続エラー「インターネット接続がありません」が発生する場合の対処法
オンラインアカウントの設定時に、ブラウザ等ではインターネットに繋がっているにもかかわらず「インターネット接続がありません」というエラーで Google へのログインが進まないケースがあります。
この現象は、Ubuntuのネットワーク管理(Netplan)がサーバー向けの networkd で動作している場合、GUI側のネットワーク管理ツール(NetworkManager)がシステムの接続状態を正しく認識できないことが原因で発生します。これを解決するには、Netplanの管理プログラムを NetworkManager に変更します。
既存の Netplan 設定ファイルを削除します(必要に応じて事前にバックアップを取得してください)
$ sudo rm /etc/netplan/*.yaml新しい設定ファイルを作成します。
$ sudo vi /etc/netplan/01-network-manager-all.yaml以下の内容を記述して保存します。
network:
version: 2
renderer: NetworkManager変更した設定をシステムに適用し、ネットワークサービスを再起動します。
$ sudo netplan generate
$ sudo netplan apply
$ sudo service network-manager restart再起動後、再度「オンラインアカウント」を開き、Google へのログインが正常に進行するか確認してください。
共有ドライブをマウントする方法(google-drive-ocamlfuse)
Ubuntuの標準機能(GNOMEオンラインアカウント)は個人のマイドライブのみに対応しており、企業などで利用される「共有ドライブ(Team Drive)」をマウントすることができません。共有ドライブを利用する場合は、専用ツールの「google-drive-ocamlfuse」を導入します。
パッケージのインストールと Google 認証
まずは専用のリポジトリを追加し、パッケージをインストールします。
$ sudo add-apt-repository ppa:alessandro-strada/ppa
$ sudo apt update
$ sudo apt install google-drive-ocamlfuseインストールが完了したら、以下のコマンドを実行して Google アカウントの認証を行います。
$ google-drive-ocamlfuseブラウザが立ち上がり、Google の認証画面が表示されるのでアクセスを許可してください。



端末上で Error: no DISPLAY environment variable specified というエラーが出た場合は、事前に $ export DISPLAY=:0 を実行してから再度認証コマンドをお試しください。
共有ドライブ(Team Drive ID)の指定とマウントの実行
認証が完了すると、ホームディレクトリに設定ファイルが自動生成されます。対象の共有ドライブをマウント先として指定するため、以下の手順で設定を変更します。
まず、指定したユーザーやプロセスがマウント先へ正常にアクセスできるよう、システムのパーミッション設定を変更します。
$ sudo sed -i -e "s/^#user_allow_other$/user_allow_other/" /etc/fuse.conf生成された設定ファイルを開き、対象となる共有ドライブの ID を指定します。(共有ドライブの ID は、ブラウザで Google Drive の当該共有ドライブを開いた際の URL 末尾の文字列です)
$ vi ~/.gdfuse/default/configファイル内の team_drive_id= の項目を探し、以下のように ID を追記して保存します。
team_drive_id=共有ドライブのID最後に、マウント用の空ディレクトリ(ここでは ~/GoogleDrive とします)を作成し、マウントを実行します。
$ mkdir ~/GoogleDrive
$ google-drive-ocamlfuse ~/GoogleDriveこれで、指定したローカルディレクトリから共有ドライブ内のファイルへアクセスが可能になります。
まとめ
本記事では、Ubuntu 環境で Google Drive を利用するための用途別のマウント手順を解説しました。
- 個人のマイドライブは、標準の「GNOME オンラインアカウント」から GUI で簡単にマウントできる。
- アカウント設定時のネットワークエラーは、Netplan の管理を NetworkManager に変更すると解消する。
- 共有ドライブを利用する場合は「google-drive-ocamlfuse」をインストールし、ID 指定でマウントする。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。


