はじめに
皆さん、日々の仕事やプレゼンで、こんな経験はありませんか?
- 「一生懸命説明したのに、相手がいまいち納得していない」
- 「結局、何が言いたいの?と聞き返されてしまう」
- 「資料は完璧なはずなのに、提案が通らない」
今回は、そんなコミュニケーションの悩みを解決する名著、『ロジカル・シンキング』(照屋華子・岡田恵子 著) を紹介します。
定義: ロジカル・シンキングは「ひとりよがり」では意味がない
「ロジカル・シンキング(論理的思考)」と聞くと、自分の頭の中を整理するだけのスキルだと思っていませんか? 本書における定義はもっと実践的です。
- ロジカル・シンキング = 論理的なメッセージを伝えることで、相手を説得するスキル
つまり、どれだけ論理が正しくても、「相手に伝わり、納得してもらえなければ意味がない」 ということです。

読む前は「思考の整理術」かと思っていましたが、実際は「相手から望む反応を引き出すためのコミュニケーション・スキル」なのだと気付かされました。 仕事でプロジェクトを成功させるにも、顧客と信頼関係を築くにも、独りよがりな論理では通用しません。「相手が何を求めているか」を理解し、そこに論理を乗せて初めて価値が生まれる……この視点は仕事だけでなく日常生活でも必要な能力だと感じました。
基本: メッセージに必須な「3つの要素」とは
では、相手に伝わる「メッセージ」とは何でしょうか? 本書では、メッセージには必ず以下の 3つの要素 が含まれていなければならないとしています。
| 要素 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| ① 課題 | 今、何について答えるのか | 相手の本質的な関心事からズレないこと |
| ② 答え | 課題に対する結論 | 結論を先に、明確に述べること |
| ③ 期待する反応 | 相手にどうしてほしいのか | 「理解してほしい」のか「承認してほしい」のか |
特に見落としがちなのが ③期待する反応 です。ただ「報告」するだけなのか、それとも「決裁(Go サイン)」が欲しいのか。ここが曖昧だと、相手は動きようがありません。



この「3要素」の中で、特に「期待する反応を明確にする」という点は目から鱗でした。 振り返ってみると、自分が何を言いたいか(答え)ばかり考えて、「相手にどう動いてほしいか」を伝えていないことが多々ありました。 ゴール(相手の行動)を決めずにボールを投げても、キャッチボールは成立しませんよね。この3点をセットにするだけで、コミュニケーションの質が大きく変わると思いました。
技術: モレなくダブりなく「MECE」で整理する
相手を説得する際、話に「抜け漏れ」や「重複」があると、途端に信頼性が下がります。 そこで登場するのが、有名なフレームワーク MECE(ミーシー) です。
- Mutually Exclusive(お互いに重複せず)
- Collectively Exhaustive(全体として漏れがない)
情報を全体像から捉え、パズルのように綺麗に分類するアプローチです。これを使うことで、複雑な課題もスッキリと整理して伝えることができます。



自分の頭の中だけで考えていると、どうしても視点が偏ったり、同じことを何度も説明してしまったりしますよね。 MECE の考え方を使って「全体をどう分けるか」を意識すると、説明のクリアさが段違いになります。相手に「よく考えられているな」という安心感を与えるためにも、必要なのスキルだと実感しました。
実践:「結論・根拠・方法」で信頼を獲得する
メッセージを構成する際は、以下の構造(ピラミッドストラクチャー)を作ることが重要です。
- 結論 (So What?): つまり、どういうことか?
- 根拠 (Why So?): なぜ、そう言えるのか?
- 方法 (How?): 具体的にどうするのか?
結論だけでは説得力がなく、根拠だけでは「で、どうするの?」となります。これらが縦に論理的に繋がっていることが重要です。



説得力を生む正体は、この「結論・根拠・方法」のセットにあるんですね。 特に「根拠」がしっかりしていないと、どんな良い提案も「ただの思いつき」に見えてしまいます。また、「方法」がないと相手は行動に移せません。 「信頼(根拠)」と「行動(方法)」をセットにして届けること。これがロジカル・シンキングの実践における最重要ポイントだと思いました。
まとめ
『ロジカル・シンキング』を通して学んだことは、論理とは相手を言い負かす武器ではなく、「相手に負担をかけずに理解してもらうための思いやり(マナー)」であるということです。
- 自分の言いたいことより、「相手が知りたい課題」に答える。
- 「期待する反応」を明確にしてから話す。
- MECE と論理構造で、相手の脳内を整理してあげる。
これらを意識して、日々のコミュニケーションを「伝わる」ものに変えていきたいと思います。 説得力にお悩みの方、ぜひ一度手に取ってみてください。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。


